全国を渡り歩いていると、道外の方々が、口を揃えて言ってくれたことがあります。
「北海道の人は、ヒトがいいですもんね!」
北海道から来ている私は、やはり嬉しくてたまらなくなる言葉です。
そして、そこで思い出すことがあるのです。
私の祖父(当店初代)は、和歌山出身。祖母は広島県出身。
いずれも、暖かいところから、この北海道室蘭市に移住してきました。
そして、1909(明治42)年、食料雑貨店として「白川商店」が誕生しました。
祖父母が北海道に移住してきてからの苦労。
それを子供心に感じ取っていた母が、よく私に言っていました。
「北海道に入ってきた人たちは、力を合わせなければ、厳しい冬を乗り越えられなかったのよね。」
考えてみれば、納得です。
この室蘭も、北海道内では他の地域よりは温暖ですが、冬の風は強く厳しいものでした。生活の知恵を分かち合わなければ、この厳しい寒さに負けてしまう人が続出したことでしょう。
「自分さえよければ」という考えでは、私たちはここにいなかったのではないか、と思うと、胸に熱いものがこみ上げてきます。
いまの北海道に生きる私たちは、このことを大事にしておかなければなりませんね。