※内容は立ち上げ当時(平成14年)当時のものです。
積極的に現実と向き合い「見直し、魅力探し」を通じ
価値観をすり合わせる明日への希望
工業都市、港町「室蘭」。
その工場群や港から、かつての躍動を感じない。
室蘭港を前にして目に入るのは、豪華客船も接岸出来る、利用度の少ない立派な埠頭、有効活用されていない大きな倉庫等々…。
高度経済成長時代には約18万人いた人口が、現在10万人を割り、経済性重視で進められて来た二十世紀型のまちづくりが、今、転換を迫られ、「まち」の活性化が大きな課題となっています。
この様な環境変化の中で、まちを憂うる数名の市民(まちづくり研究会)が核になり、室蘭港と共に栄えてきた周辺地域を活性化するため、大きな企業の潤いに感謝の心を持ちながら、ただ甘えることは避け、我々市民の真なる自立を求め、市民、行政、大学、企業等とのネットワークを構築し、海に面した地域の特色を生かしたみなとまちづくり(ウォーターフロント開発)に関する事業等のアイデア(埠頭、倉庫等のハードな施設を利用したみなとづくりのソフト化等々)を提案し、それらを実践することで都市機能や生活機能の付加価値を高め、地域の活性化を図り、豊かで潤いのあるまちづくり及び将来を担う人づくりに寄与することを理念とした、まちづくり団体「NPO法人羅針盤」が誕生するに至りました。
「経済の港」だけではない「文化のみなと」としての活用も
かつての賑わいは感じられなくとも、潮の香りはまだ、しっかりと感じ取ることができる。
であるならば、工業都市と云う偏ったイメージだけではなく、自然環境を取り込んだエンターテイメントな(娯楽性がある)まちづくり(みなとづくり)が出来ると云う事でもあり、「経済の港」だけではない「文化のみなと」としての活用も出来ると云う事であります。
港に触れる範囲で活用資源を探して見ても、室蘭にはその材料(宝)がまだまだ沢山あります。
「まわりの海(リアス形の崖、イルカ・クジラウォッチング、地球岬、イタンキ浜の鳴り砂等)」
「海の風」
「美味しい水(船舶は室蘭で給水します)」
「豊かな緑(測量山、室蘭岳)」
「室蘭港(豪華客船、中央埠頭の倉庫)〜祝津(道の駅みたら室蘭)〜追直漁港(人工島での漁業活動と市民のふれあい)を繋ぐ周遊ライン」
「港と市街が背中合わせ」
「仏坂から測量山、測量山から室蘭港の景観(夜景も同じ)」
「旧港町(みなとちょう)、海岸町(かいがんちょう)旧浜町(はまちょう)のみなとまち風情」
「白鳥大橋」
「テレビ塔のライトアップ(測量山)」
「各町会の坂風情」
そして「日本一の坂」、品位さえ感じる「問屋の坂のしっかり積まれた石垣」
等々。
ウォーターフロントおよび観光開発を満たす条件は思いつくまま書き出してもこんなに沢山あります。
地域全体が醸し出すみなとまち風情と、鍛刀所・製鉄所・造船所・企業内の歴史的遺産(迎賓館)等による産業観光等を組み合わせて、好きなものを選ぶことができる、サラダバーのような観光開発も可能です。
この様な新たな観光地づくりも都市再生の一つとなり、まちの魅力を向上し、まちの活性化へ繋がるものと思います。
さらに、食に関しては、市内や近隣の「室蘭やきとり・カレーラーメン・噴火湾ホタテ・白老牛・虎杖浜のたらこ・伊達の野菜」等々、北海道ならではの海の幸・山の幸が豊富であり、とうぜん、室蘭も食べ物が美味しいことは云うまでもありません。
特にいま、北海道は日本の食糧庫(米をはじめとした農産物など)としして脚光を浴びています。
台風が来ても室蘭港に避難ができる、この安心安全な天然の良港には、北海道農産物を出荷する活用方法としても期待できるものです。
(NPO法人羅針盤の誕生②につづく)